口腔機能訓練MFT
口腔機能訓練
(MFT)について

口腔筋機能療法
MFTは、「Myofunctional Therapy」の略称で、口腔筋機能療法ともいいます。
(以下 MFT といいます)
MFTとは、お口の周りの筋肉を正しい動きに改善をすることによって、歯並びと舌の癖を治していくトレーニングのことをいいます。 MFTの目的は、食べる(咀嚼)、飲む(嚥下)、発音、リラックスしているときの呼吸のときの舌や口唇の正しい位置への改善をし、MFTを行っていくことで口腔周囲(お口の周り)の筋肉のバランスを正常に整えて、悪い癖を治していくことです。
MFTが必要となるケースとは
舌突出癖や異常嚥下癖がある場合
常に舌で前歯を押し出したり、食べ物を飲み込むときに舌を出したりする癖を舌癖と言います。舌癖は前歯の歯並びに悪影響を及ぼします。
舌小帯の異常がある場合
舌の下にある舌小帯が短すぎたり、硬直したりしている場合、舌を自由に動かせず、前方に突き出す癖がつくことがあります。MFTを通じて正しい飲み込み方や舌の使い方を習得することで歯列への悪影響を防げます。
矯正治療や
外科的矯正治療を受ける場合
悪い癖を改善しないまま矯正治療を行うと、治療の進行が遅くなったり治療終了後に再び歯が元の位置に戻ってしまったりするリスクも高まります。
口腔機能訓練(MFT)の
メリット・デメリット

メリット
- 矯正治療がスムーズにすすむ
- 表情筋がきたえられて
笑顔が自然にできる - 発音が改善する
- 食べ方がきれいになる
- 正しい発育を促すことができる
- 口腔機能が改善することで
全身の健康に良い影響がある
デメリット
- 継続的に取り組むことで効果を発揮する治療法なので、効果が出るまで時間がかかる
- 専門的な指導が必要なので歯科医院に定期的に通って正しくトレーニングできているか確認が必要
- 保険が適用されない
- 矯正治療ではないので、場合によっては矯正装置との併用が必要になる
口腔機能訓練(MFT)の主な
トレーニング方法について

スポットポジション
正しい舌の位置を覚えるための基本トレーニングです。上の前歯の裏側にある少し膨らんだ部分(スポット)をスティックや指先で触り、舌がその位置に正確に触れるよう確認します。
その後、スティックを取り除き、口を開けたまま舌先をスポットに付けて5秒間キープします。この練習を繰り返すことで、舌を正しい位置に保つ習慣が身につきます。
ポッピング
舌先をスポットに置き、舌全体を上顎に押し付けます。その後、口を大きく開け、勢いよく舌を離してポンと音を立てます。舌全体を上顎に吸い上げる練習を通じて、舌の筋肉を鍛える方法です。
ボタンプル
口唇の筋肉を鍛えるトレーニングです。ボタンに長めの紐を通し、前歯と唇の間にボタンを挟んで軽く閉じます。紐を外に引っ張り、ボタンが落ちないよう唇をしっかりと閉じて力を入れます。
この練習を繰り返すことで、唇の筋力が向上し、出っ歯などの予防にもつながります。
スラープ&スワロー
正しい嚥下(飲み込む動作)を身につけるためのトレーニングです。舌先をスポットに置き、舌全体を上顎に吸い上げます。その状態で、犬歯のうしろにストローを置き、舌の裏に当てます。次に、口を開けたまま水を飲み込む動作を練習します。
これによって、正しい嚥下の仕方を習得し、飲み込み時の舌の位置や動きの改善が期待できます。
ポスチャー
舌と唇が正しい位置にあることを維持するトレーニングです。舌先をスポットに置き、舌全体を上顎に吸い付けた状態をキープします。このとき、ストローを犬歯のうしろに軽く噛むように置きます。
唇を閉じた状態でストローを固定しながら練習することで、唇と舌のバランスが改善されます。
口腔機能訓練(MFT)
についてよくある質問

Q.どのような人が
口腔機能訓練の対象になりますか?
A.以下に当てはまる方が対象となります。
- 口をぽかんと開けていることが多い
- 無意識に舌が前に出ている
- 指しゃぶりしている
- 口呼吸している
- 発音が気になる(タ、サ、カ、ラ行など)
- 矯正治療始めるかた
Q.口腔機能訓練は
どこで受けられますか?
A.歯科医院や矯正専門クリニックで受けられます。
Q.口腔機能訓練にかかる費用は
どのくらいですか?
A.保険適応外なので治療を受ける施設によって異なりますが、一般的に1回3000円〜1万円ほどが相場です。
一部の症例では保険適応になります。
Q.自宅でもできる
口腔機能訓練はありますか?
A.口腔機能訓練は歯科医師や歯科衛生士の指導のもと、おうちでもトレーニングしていただけます。
他におうちでできる習慣もあります。
- 口を閉じて鼻呼吸を意識する
- 食事中は首をまっすぐにして奥歯で左右均等に噛む
- 姿勢をまっすぐにする
- 就寝時はうつぶせではなく、
仰向けで寝る
これらの習慣を取り入れることが、口腔機能の改善につながります。
Q.口腔機能訓練を
受ける際の注意点はありますか?
A.正しい方法で行わなければ効果が得られないため、歯科医師や歯科衛生士による指導が不可欠です。定期的に通って正しくトレーニングを行えているか確認する必要があります。